今回も電匠・ハードちゃんです。
ロッドアンテナを北壁面に設置したらAM放送があまりにも受信できないので、手持ちのポータブルラジオを使って、弊社周辺におけるAM放送の受信状況を調べてみました。
すると、このアンテナを設置した北側壁面付近(歩道)では、やはりニッポン放送が良く受信できませんでした。NHKは第1、第2とも音声が明瞭に聞こえました。各放送局間で受信状態は、ロッドアンテナを用いたカーオーディオの結果と相対的に合っていると思います。
ポータブルラジオの受信位置を移動し、建屋西側の小路に入ったところでは全ての放送局が明瞭に聞こえました。ニッポン放送と文化放送は少しノイズが入りますが、それでも歩道側よりははるかによい受信状態です。
室内に入りますと、ニッポン放送は全く聞こえなくなりました(机A~B)。一般的に、鉄筋の建物内ではラジオが受信しにくいと言われますが、日本放送の周波数に合わせても本当にノイズしか聞こえません。
場所を変えて窓の近くに行くと、受信状態が少し改善されます。どうもノイズの大きさは、近くにどんな機器があるかで決まるようです。パソコンの近くではノイズが大きいといわれますが、机Bにはパソコンが設置してあるので、これが原因のようです。
ところで、AMアンテナの形式については大きく2通りの方法があるとのことです。
ひとつはカーアンテナで代表されるロッドアンテナを使う方法で、電界受信方式と呼ばれています。もう一つはポータブルラジオで用いられる方法で、セット内部にバーアンテナを設置した磁界受信方式です。バーアンテナとは、磁石のようなフェライト磁性体に電線を巻きつけたコイルのことです。
ホームオーディオのAMチューナーでは、ループコイルというAM専用のアンテナを用いますが、これも磁界受信方式です。AM放送の電波を感度良く受信する場合は、磁界受信方式の方が有利らしく、ポータブルラジオやホームオーディオでは磁界受信方式がよく採用されています。これに対し、FM放送の受信は電界受信方式による受信しかありません。さらに、カーオディオではFMとAMのアンテナを共用します。
このため、カーオーディオではAM放送もロッドアンテナによる電界受信方式となっています。
それにしても、ポータブルラジオの受信感度の良さは驚異的です。前述しましたが、NHK第一放送を歩道で受信した場合ノイズが全く無いとはいえませんが、放送信号を良く捉え、明瞭な音声が聞こえます。しかし、同じ場所に設置したロッドアンテナでは、ノイズの方が放送信号よりも大きく感じられます。電波を受けている場所が同じなのに、なぜこのような差があらわれるのでしょうか。
最悪、放送信号の捉え方が少々悪くても、ロッドアンテナを使った受信方法でノイズだけでも小さくできないものでしょうか。
ポータブルラジオでは建屋西側の小路でノイズの少ない受信ができていましたので、ここにロッドアンテナを設置すればもっと良い受信結果が得られるかもしれません。今回の実験ではアンテナケーブルの長さが短く、居室からの距離が遠くて設置できませんでしたが、次回の実験ではロッドアンテナを小路に移動して受信してみたいと思います。