ここでは、アンプを内蔵していないデッキタイプのカーオーディオを自宅で使うための方法についてご説明します
デッキタイプはアンプを内蔵していないため、単体でスピーカーを鳴らすことはできません
そこで、ここでは、デッキタイプカーオーディオをホームオーディオのアンプや、アンプ内蔵スピーカー(PCスピーカーなど)に接続する基本構成にてご説明し、その後、カーオーディオのパワーアンプと接続した「カーオーディオシステム」として部屋で使うの応用例をご説明します
なお、アンプ内蔵カーオーディオ/カーナビでも、カーオーディオにフロント/リアのプリアウト出力があれば、デッキタイプと同様構成を取ることが可能です
【記載内容】
アンプ内蔵タイプやパワーアンプ、その他機器のご使用を考えられている方はこちらのページをご覧下さい
■デッキタイプカーオーディオを自宅で使う(基本構成)
はじめにデッキタイプカーオーディオを、ホームオーディオのアンプや、アンプ内蔵スピーカー(PCスピーカーなど)に接続する基本構成で配線方法などについてご説明します
○使用するコード
デッキタイプカーオーディオは、カーオーディオを動かすための電源を用意し、ホームオーディオのアンプや、PC用のアンプ内蔵スピーカーと接続することで、自宅でカーオーディオを楽しむことができます
右図は市販デッキタイプカーオーディオ本体から音声出力コード(プリアウト)と、電源コードを示した図です
音声出力コードには、フロントプリアウト、リアプリアウトがあり、これらコード出るプリアウトの信号は音声信号であるため、直接スピーカーを駆動することはできません。これらプリアウトの多くは、カーオーディオ本体背面から、RCAジャック付きのコードとしてでています
電源コードの多くは、アンプ内蔵タイプのカーオーディオと同じように、図のように本体と分かれ、電源コードを本体にソケットで接続するようになっています
この電源コードには、電源関連のコード、その他信号用などのコードがあり、各コードは機能により色分けされています。各コードの先端にはぎぼし端子やクワ端子がついています
その他コードとしては、リモートコードがあります。リモートコードは、カーオーディオのパワーアンプ等と接続する際、接続された機器を連動させるために使用します(たとえば、デッキの電源を入れると、パワーアンプもONになるなど)
なお、デッキタイプでは「アンプ内蔵カーオーディオ」のようにスピーカーコード(白、灰、紫、緑)は出ていません。また機器によって他の機能をもったコードが出ています
これら電源コードの色は規定化されているわけではありませんが、電源等共通的なコードは、概ねどのメーカーのカーオーディオも同じ色を使用しています。ただし、1999年以前のパイオニア製カーオーディオや、機器固有機能(例えばMcIntoshのPG信号等)のコードは色が異なっていますので注意が必要です
各コード詳細については、機器の取扱説明書、取付説明書等にて確認して下さい
■電源関連のコード
コード | 色 | 端子 | 説明 | 接続先 |
---|---|---|---|---|
BATT | 黄 | ぎぼし端子 (オス) | カーオーディオに電源を供給するコード | +12V |
ACC | 赤 | カーオーディオを動作させるコード | +12V | |
アース | 黒 | クワ端子 | アース | GND |
■その他コード(デッキタイプでよく使うコード)
コード | 色 | 端子 | 説明 | 接続先 |
---|---|---|---|---|
リモート | 青白 | ぎぼし端子 (メス) | 周辺機器など他機器と連動させる時使用 他機器がない場合は未接続 | 周辺 機器 |
○配線方法
弊社DK101(1DIN用カーオーディオ用配線キット)を用いた接続図にて配線方法ご説明します
デッキタイプカーオーディオをホームオーディオに接続した接続図と、PCスピーカーを接続した接続図を記載しています。なお、図中破線部分は弊社製品DK101です
ご注意
実際に配線する場合は、必ず電源を切った状態で配線したのち、配線に間違いが無いことを確認してから必ず電源を入れて下さい
●電源関連の配線
電源関連で配線するコードは、アンプ内蔵タイプと同様、BATT、ACC、アースコードです
接続先はそれぞれ電源(ACアダプター)の+12V、+12V、GND(グランド)になります。なお、接続図ではカーオーディオのアースコードと、電源のGND接続は、カーオーディオ筐体を介して接続しています
電源コードの「BATT」、「ACCコード」にはぎぼし端子、「アースコード」にはクワ端子がついていますので、これら端子と電源側の出力端子形状にあったコードを用意し、カーオーディオと電源を接続します
なお、ACCコードには、カーオーディオをスタンバイからONにするための信号が入ります。具体的には、カーオーディオをONにする時だけ「+12V」が入るようにします
また、このような構成の場合、カーオーディオの周辺機器(たとえばパワーアンプ)が接続されないので、先に述べたリモートコードは未接続になります
ご注意
コード、電源用ジャック等を選ぶ際は、必ず電源やカーオーディオの電流容量に応じたものを選ぶようにして下さい
カーオーディオに合わせて、使用する電源を選びます。「カーオーディオで使う電源」でもご説明した通り、一般的にデッキタイプはアンプ内蔵タイプよりも消費電流は少なくなっています
●音声関連の配線
デッキタイプの多くは、フロント、リアのプリアウトとしてRCAジャックが出ています。このフロント、またはリアのプリアウトをホームオーディオのアンプ、あるいはパソコン用スピーカー(アンプ内蔵スピーカー)と接続します
ホームオーディオのアンプと接続する場合は、プリアウトをホームオーディオ用アンプのLINE IN端子等に、アンプ内蔵スピーカーと接続する場合は、プリアウトをアンプ内蔵スピーカーのANALOG IN端子等に接続します
ご注意
カーオーディオのフロントあるいはリアのプリアウトを、アンプのPHONO端子には接続しないで下さい。また、プリメインアンプのLINE OUT等の出力端子に接続しないで下さい
●使用方法
使用する場合は、必ずホームオーディオのアンプ、またはPCスピーカーの電源を切り、ボリュームを最小にした上で、デッキ、ホームオーディオのアンプまたはPCスピーカーの順で電源を入れます(電源投入時に大音量で再生することを防ぐためです)
そして、アンプの入力をデッキを接続した入力端子(例えばLINE IN)にし、デッキで再生を開始します。徐々にアンプ、またはPCスピーカーのボリュームを上げ音量を調整します
アンプやPCスピーカーのボリュームが普段聴いている他機器のボリュームよりも大きくなる場合は、デッキ側のボリュームで音量を調整します
接続方法、使用方法については機器の取扱説明書を参照して下さい
参考:PCスピーカー(Amazon 新しいウィンドウが開きます)
DK101(1DIN用電源付配線キット)
○弊社製品LE802を用いた接続例
左写真はMcIntosh社製 MX5000(CDデッキ)を弊社カーオーディオ用電源付ケースLE802に入れ、PC用スピーカー(ONKYO社製 GX-70AX)に接続した例です(カーオーディオが見えるよう天板を外しています)
電源はLE802付属のACアダプターから供給し、MX5000のフロントプリアウト(RCA)は、市販オーディオコード(RCAオス-オス)を使って、PCスピーカーのANALOG IN端子(RCA)に接続しています
なお、MX5000では、電源が本体と別筐体(DC-DCコンバーター)になっていますが、電源を接続するコードは接続図と同じで、BATTとACC、アースになっています(黄、赤、黒)。
BATT、ACCコードは、LE802の黄、赤コードと接続し(色を合わせて接続するだけ)、アース、LE802の黒コードはDC-DCコンバータの筐体を介して接続しています
LE802フロントパネルにあるスイッチをONにすると、MX5000がスタンバイからONになり、音楽を楽しむことができます。スイッチをSTANDBYにすると、MX5000はスタンバイとなります。ACアダプターをコンセントにさしておけば、MX5000に設定した時刻や設定などが消えることはありません
電源付カーオーディオケースLE802は写真のようにカーオーディオを自宅で使うために必要なコードやACアダプターが付属しています。もちろん端子の圧着やハンダ付けは不要、LE802に組込み配線することでカーオーディオを楽しむことができます
なお、ケースなしの電源付配線キットDK101、DK235もご用意しています
LE802(電源付ケース)
DK235(2DIN用カーオーディオ、カーナビ配線キット/ヘッドホン対応)
DK101(1DIN用電源付配線キット)
■カーオーディオデッキ、パワーアンプで楽しむ(カーオーディオシステム)
デッキタイプの応用例として、車で使っていたカーオーディオのデッキ、パワーアンプを部屋に持ち込み、ホームオーディオ用のスピーカーを接続して音楽を楽しむ例について説明します
なお、パワーアンプの配線については、「カーオーディオのパワーアンプを使う」にて詳しくご説明していますので、あわせてご覧下さい
下接続図はカーオーディオのデッキと、パワーアンプの接続図です。左側がデッキ、右側がパワーアンプです
なお、この図では機器毎に電源を接続していますが、1つの電源からデッキとパワーアンプ2つの機器に電源を供給することも可能です(後述します)
デッキ側は、前述の通りBATTとACC、アースにACアダプターを接続します
パワーアンプ側はパワーアンプの「+」端子にACアダプターの+12V、「-」端子にACアダプターのGNDを接続します。端子形状は使用されるパワーアンプにより異なりますので、適切な端子を使用しします
なお、パワーアンプは消費電力が大きいため、パワーアンプが駆動できる電源を用意し、電源-パワーアンプ間は、デッキの電源コードよりも、太いコード(電流容量に応じたコード)で接続する必要があります
また、上の構成では機器毎に電源を使用していますので、各電源の電位をあわせるため、共通GNDコードを用いて、デッキのGNDとパワーアンプのGNDを接続しています
リモートコード(接続図中青線)は、デッキのON/STANDBY操作にあわせて、パワーアンプをON/STANDBYさせる(連動させる)ためのコードです。デッキの電源コードにある「リモートコード」(ぎぼし端子付)を、パワーアンプのREMOTE端子に接続します
なお、リモートコードにはパワーアンプの電源コードと異なって大きな電流は流れませんので、カーオーディオの電源コードと同程度の太さコードで十分です
音声関連の接続はデッキのフロントプリアウトとリアプリアウトを、市販RCAコードでパワーアンプ入力端子に接続します。そして、パワーアンプの出力端子にスピーカーを接続します。
なお、パワーアンプによりますが、1組(2台)、2組(4台)、中には「2+1」の3スピーカー構成(+1はサブウーファーなど)で楽しめる機器もあります
詳細については、各機器の取扱説明書、取付説明書等を参照して下さい
ご参考:RCAコード(Amazon 新しいウィンドウが開きます)
●1つの電源で2つの機器に電源を供給する
次に1電源で2つの機器に電源を供給する場合についてご説明します
下図は1つの電源でデッキとパワーアンプに電源供給した時の接続図です。先にご説明した2電源構成で使用した共通GNDは不要になります。それ以外の配線は同じです
なお、用意する電源はデッキとパワーアンプの消費電流がまかなえる電源を用意する必要があります
写真はMcIntosh MX5000、MCC404、MPM4000からなるMcIntoshシステムを、弊社大容量ACアダプター「P-12V210」1台にて電源供給する際のテスト風景です
すこし見づらいですが、写真左スピーカーの脇に立てている機器がMcIntoshシステム全体に電源を供給しているP-12V210(青色LEDが点灯している機器、12V/21A 250W)、その左から順にMCC404(パワーアンプ)、MPM4000(アウトプットメータ)、MX5000(CDデッキ)です
スピーカーは4台(2組×2)、MCC404に接続しています。スピーカーコーンが大きく震える程の大音量でも動作を確認しています
弊社では自宅でカーオーディオシステムを使用する際、お客様のご要望に応じた電源をご提案しております。また、弊社にてシステム一式をお預かりし、配線などを行った上で納品させて頂くサービスもございます。ご使用になりたい機器(メーカ名、機種)とともにお気軽にお問合せ下さい(ご相談、お見積無料です)
P-12V210(12/21A 250W大容量ACアダプター)
※パワーアンプの配線については、「カーオーディオのパワーアンプを使う」にて詳しくご説明しています。あわせてご覧下さい