開発秘話は今回で最終回となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。

■無骨で不格好な試作ネジ

■第5回(最終回):こだわり

 ようやく量産部品を発注する段階となった時期に、最終試作型の
LE801の前で営業マンが腕組みをしてこういった。

 「これでは天板の止めネジがかっこわるい・・・」
 「もう少しスマートなネジでないと製品のイメージが壊れてしまう・・・」

 確かに、そのように言われてみれば天板のネジが無骨だった。
そうかと言って飾りネジを付けるような場所ではないし、皿ネジを
充てれば余計に目立ってしまう。
 具体的な解決案もなく新しいネジを探し始めるが、なかなか
製品イメージに合うような形・色が揃わない。また、あっても
調達困難な物ばかりだ。

 ネジがひとつ決まらないだけで製造開始が頓挫した。いよいよ
市販ねじを諦め、特注もやむなし、となった時、

 「これだ!」

 ネジ販売のWebサイトを覗き込んでいた営業、開発、企画の声が
一致した。
 見つかってみれば近隣のネジ商が持っている製品であり、すぐさま
販売店を直接訪ね、現金取引でネジを入手した。

 「良い。決まりだ。」

 天板を止めたそのネジは、極めて当然のようにそこに馴染んでいた。
ようやく製造開始にGOサインがかかった。製品としての完成度を
高めるために、使うネジの1本にも拘った成果であった。

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■- 「MADE IN JAPAN」 - 

 LE801の前面パネルの文字は、過度の主張をしないよう、
大きさと字体を選んでいる。主役はここに組み込まれた
カーオーディオなのである。

 しかしながら、背面パネルの表示にはやや大き目の文字を
使った。これは、背面を覗き込んで配線作業を行っても、
文字の判読が容易であるように配慮してのことだ。
 そしてこの背面パネルには、電匠のこだわりと、正にこの手で
作ったという誇りを込めて 「MADE IN JAPAN」 と記した。

 今ここに出荷を控えた製品を前にして、開発に関わった者たちの
胸中には同じ思いがよぎっている。

 LE801 お客様の良き朋友とならんことを ―


株式会社 電匠
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■背面パネルにはメイドインジャパン

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